一人暮らしの方もDINKSの方も活用のチャンス!制度改正後の住宅ローン控除
前回のコラム「共働きのお財布事情・住宅ローン名義は?」で、女性の社会進出によって住宅ローン名義にもバリエーションが出てきて、夫婦二人で組まれる方がおられることをご紹介しました。今回は、ライフコースの多様性と住宅購入について触れていきたいと思います。
なお、タイトルに書いた”DINKS”とは、"Double Income No Kids" の頭文字を取ったもので、共働きで子どもがいない夫婦という意味です。
関連コラムも併せてご覧ください!
1.多様化するライフコース |
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国立社会保障・人口問題研究所が18~34歳の未婚の男女に行った調査結果を少しご紹介します。(それにしても、ダイレクトな組織名ですね、お仕事内容が明確にわかります…!)
家庭と仕事の両立が伸びている点は、男女ともに共通しているようです。
しかしながら、女性の理想のライフコースと予定のライフコースに大きなギャップが見られます。専業主婦を希望する方が減少傾向とはいえ18%程度おられることに対して、現実的な予定は7.5%、非婚就業を理想とする人が5%前後であることに対して、現実的な予定は近年20%超にも上ること。
前者の、専業主婦になるのが難しい理由は、前回のコラムに出てきた年収が減少していることが原因かと思われます。詳しくは、「共働きのお財布事情・住宅ローン名義は?」をご覧ください!
今回注目するのは後者の、非婚就業の方です。その方が増えている理由は、女性の経済的自立と生活力が高いことがあると思われます。大阪や東京では特に、情報・イベント・コミュニティが豊富なので、単身でも寂しくもないし、知的好奇心がどんどん刺激されて結婚に頭が向かないのはよく分かります。そういう方々は、出産・育児の休業期間がなければ、収入面においても困ることはないでしょうし、もしくは自己研鑽への投資が大きく養育費が捻出できないわ~と思う方多いかもですね。
それから、全体から見ると割合が少ないものの夫婦二人で共働きのDINKSもじわりじわりと増えています。ご自身で子どもを持たない選択をされる方もいらっしゃいますし、子どもが欲しいけれども様々な理由で叶わないという方もいらっしゃいますが、DINKSという層も増えています。
2.一人暮らし・DINKSに適した住宅の広さ |
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今増えている非婚就業やDINKSの方々は、どのぐらいの広さの住宅を選ぶべきなのでしょうか。
国土交通省が設定している住生活基本計画によると次のように水準を設定しています。
■ 誘導居住面積水準
豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準
「一般型誘導居住面積水準」
都市の郊外及び都市部以外の一般地域における戸建住宅居住を想定
計算式
1) 単身者55m2
2) 2人以上の世帯25m2×世帯人数+25m2
「都市居住型誘導居住面積水準」
都市の中心及びその周辺における共同住宅居住を想定
計算式
1) 単身者40m2
2) 2人以上の世帯20m2×世帯人数+15m2
■ 最低居住面積水準
健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準
計算式
1) 単身者25m2
2) 2人以上の世帯10m2×世帯人数+10m2
これらの水準から、一人暮らし・DINKSに推奨される居住面積を計算してみました。
単身 | 大人2人 | |
最低居住面積水準 | 25m2 | 30m2 |
誘導居住面積水準:都市居住型 | 40m2 | 55m2 |
誘導居住面積水準:一般型 | 55m2 | 75m2 |
ふむふむ、これぐらいなんですね。確かに経験的には、合ってる気がします。
大阪市内で一人暮らし、23m2くらいの1Kに住んだことがありますが、今のようにテレワークはなくフルタイム出勤で、家ではほとんど寝るだけの生活であったこと、立地の利便性を考えると十分でしたが、テレワークが一般的になると最低居住面積水準以上は欲しいとしみじみ思うところです。
3.一人暮らし・DINKS、賃貸住宅と住宅購入どちらがいい? |
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一人暮らしの方・DINKSの方々は、賃貸住宅と住宅購入どちらがいいのでしょうか。
購入すれば、修繕費用がかかってきますしマンションであれば共益費が別途かかってきますが、同じ住宅に対する家賃より月々の住宅ローン返済額の方が安くなりますし、売ることもできます。
賃貸であれば、家賃としての月々の支払額は割高ですが、普通に生活している上での修繕は考えなくて良いです。引っ越しの時も、持ち家よりも身軽です。
どちらにもメリット・デメリットがありますので、こればっかりはご本人のライフプランを尊重すべきところですが、、、今年度の住宅ローン控除の制度改正によって、住宅購入も視野に入れていいのではと思います…!
これまでは50m2以上の住宅が対象でしたが、今回の改正で年間所得が1,000万円以下に限り築年1982年以降(新耐震基準適合住宅))で40m2以上50m2未満の住宅も対象になりました。ですので、一人暮らしやDINKSの方々が住まわれるのにちょうどよい広さの住居、1LDKや2DKなどを購入する場合でも住宅ローン控除の活用を考えられるようになりました。
詳しくは、「祝・延長!住宅ローン控除どう変わった?」ご覧ください。
ただし、この面積は内法面積で、住宅の広告に記載している壁芯面積ではないのでご注意ください。内法面積とは、部屋から見えている床面積のことで、壁芯面積は、柱の中心部を結んだ線の面積で、壁の向こう側の見えていない面積も含まれています。壁芯面積から5%~10%減らしたぐらいが内法面積になると言われていますので、大体の目安として考えてみてください。正確には、登記簿上の面積を確認してください。
ここで一生住む!と決めた場合や、後々売れそうな立地から探すのならば、購入という選択肢も魅力的でなのではないかと思います。
4.まとめ |
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今増えている一人暮らし・DINKSの方々が住むのにちょうどよい大きさの住宅40~50m2も、住宅ローン控除の対象になりました。年間所得1,000万円以下であること、築年1982年以降(新耐震基準適合住宅))であることを満たす場合、賃貸住宅だけでなく住宅購入という選択肢も視野に入れてみてもいいのではないでしょうか。
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